PresidentOnlineで、当社CEO 田中宏隆とInsight Specialist 岡田亜希子による共著『フードテックで変わる食の未来』(PHP新書)の再編集記事「なぜ日本の発酵食品はキムチに負けているのか」が掲載されました。記事はこちらからご覧いただけます。
要点
・米国の発酵ブームで注目されるのは韓国のキムチ、日本は発信不足
・韓国はエンタメと食品を組み合わせた「Kフード」を国家戦略として展開
・日本は産業横断的な海外戦略が不足
・フードテクノロジーセンター設立で技術・開発・発信を一元化
・大豆や海藻は海外で成長市場、日本発の価値創造のチャンス
Summary
発酵や海藻など、世界に誇れる食文化を持つ日本。しかし英語による発信力の弱さや戦略の弱さにより、韓国Kフードの勢いに押されています。日本の技術や文化を活かしその状況をいかに変えうるか、その可能性を紹介しています。
世界の食市場では、発酵ブームが広がっています。米国の書店には発酵関連書籍が並び、大学でも講座が開設されるほど。しかしそこで注目されるのは、日本の味噌や醤油ではなく、韓国のキムチです。韓国は音楽・ドラマなどのエンタメと食品を組み合わせた「Kフード」を国家戦略として打ち出し、文化と食を一体で世界に発信しています。
一方、日本の食文化は高い評価を受けながらも、各企業が個別に海外展開を進める状況。英語発信力や産業全体の統一戦略が欠けており、ポテンシャルを十分に活かしきれていません。
こうした状況の解決策として、「フードテクノロジーセンター」の設立を提案しています。これは鮮度保持や冷凍などの最先端技術、商品開発力、国際発信のノウハウを一元的に集約する拠点。ここから生まれる商品はライセンスモデルで展開し、世界で売れるほど日本に利益が還元される仕組みを目指します。
また、大豆や海藻といった日本で消費が減少している食材も、海外では健康志向や持続可能性の観点から注目されています。日本の技術や知見が、地球規模の課題解決にもつながる可能性があります。
私たちは、日本が「食べに来る国」から「学び、共創する国」へと進化し、世界のフードイノベーターが集う拠点となる未来を描いています。